子どもの遊びの三角ベースボールをご存じだろうか。二塁がなく、本塁、一塁、三塁の三角形で設定する野球である。狭い場所、少人数でできるのが長所だ。

　小学校時代は、三角ベースに明け暮れた。片田舎に育ったので空き地が多くあり遊び場所に困らなかった。放課後、暗くなるまで仲間とボールを追っかけたものだ。1970年大阪万博のころ。

　少子化のせいもあるだろうが、このように屋外で元気に野球している子どもたちをほとんど見かけなくなった。少し寂しいけれど、放課後や休日の過ごし方が多様化しているのだろう。

　夕食後は家族が茶の間でプロ野球のナイター中継を見る。社員旅行は大規模温泉旅館に出掛け宴会を。一斉に楽しむのが喜びであったのが1970年万博のころ。

　55年が過ぎ、ネットには情報があふれ、人々の興味、し好、余暇の過ごし方も様々だ。2025年大阪・関西万博開幕まで1カ月を切った。

　今回は前回のような国民の熱狂は望むべくもないが、三角ベース世代としては、「何かを残してくれるのでは」と期待してしまうのである。(栄)