春の気配とともに大学の卒業式も近づく。…
春の気配とともに大学の卒業式も近づく。この時期、学生の卒業制作の発表、展示会が各地である。
週末訪れた県内大学の卒業展担当教授は、多様な研究成果を前に学生の成長を強調した。入学時は何を学び、どの道へ進むかまっさらな学生がほとんどだったが、大学生活での学びと経験できちんと自己と進路を確立したと。
将来を見据えて必要な学び、資格を把握して進路先を決めた受験生も少なくないだろう。一方で、おぼろげなまま受験に臨む人も多いに違いない。
諸外国と比べずとも、先々を展望せずに最高学府に進むのは幼いとの意見も聞こえてくる。でもすべての受験生が、自分の可能性に気付いていると言い切れるだろうか。
受験結果が最良でなかったとしても、合格校に進学するのも選択肢の一つだと思う。入学先、当初の胸の内がどうあれ、大学期の出会い、体験が変化と未来をもたらすのを数多く見てきたからだ。
前出の教授は、学生の無限の可能性が垣間見える研究成果を高校生にこそ見てほしいとも話した。将来が不確かならば、こんな会場に足を運ぶのも一考だ。(智)