県が受け入れたのだからきちんと保管され…
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県が受け入れたのだからきちんと保管されている、そう思っていたら知らぬ間に廃棄されていた。そもそも寄贈を受ける体制が整っておらず、今後は他府県で管理してもらうという。
奈良植物研究会が県に寄贈した約1万点に及ぶ植物標本の誤廃棄は、研究会が求めた経緯の解明に県が回答を示した。自然史系資料の管理を放棄したともいえる内容で、研究会の怒りが「失望」に変わるのも当然だろう。
自然史系の施設を持たないのはこれまでから県の課題とされてきた。今回の事件を契機に改めて対応を考え、将来的な展望が開けるよう検討を始める必要がある。
県立民俗博物館では保管能力を超えた民具の扱いが問題となっている。県はデジタルアーカイブ化と市町村などへの譲渡を進め、引き取り手がなければ廃棄する方針だが、どこか今回の問題と通じるものがある。
植物標本は保管体制の不備が廃棄につながった。民博の問題では収集したものの保管能力を超えたので廃棄するという。
寄贈者の思いや県への信頼を軽んじていないか、自問することから始めてはどうだろう。(増)