大学時代は映画にはまり、三越劇場やSA…
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大学時代は映画にはまり、三越劇場やSABホールなど、いろんな所に足を運んだ。映画会社に就職して、ステキな邦題を付ける仕事に憧れたが、夢のままに終わった。
原題「Enter the Dragon」(ドラゴン登場)は、当時の少年たちが、ヌンチャクを操るブルース・リーに畏敬の念を抱いた「燃えよドラゴン」。
ヘンリー・フォンダがキャサリン・へプバーンと共演した映画「黄昏(たそがれ)」の原題は「On Golden Pond(黄金の池で)」。人生の黄昏を描いた美しい映像美は話題になった。
保守的な父・ヘンリーと、ベトナム反戦運動でも名を売った革新系の娘・ジェーンは、実生活では母親の自殺を巡り確執があったという。その娘が、老父にアカデミー賞を取らせるために企画・共演した作品がこれだった。
狙い通り、1981年アカデミー主演男優賞を獲得。史上最高齢76歳での栄冠だった。
翌年、名優は旅立つ。某大手紙の亡者記事の見出しは「黄昏に輝き残しフォンダ逝く」―これも見事な「作品」だった。きょう16日は、その名優の誕生日。(恵)