山の斜面を大ナメクジのような生き物が転…
山の斜面を大ナメクジのような生き物が転がり落ちてきたかと思うと、いきなりかみ付くのだという。ビール瓶のような太い胴。ツチノコの目撃談は吉野地方に古くから残る。
ノヅチ、オノコロヅチなど呼び方はいろいろあるようだが、一致するのはその体型と「転がる」ことだろう。
江戸時代の百科事典「和漢三才図会」も、吉野山中で見るとして、「坂より走り下ることはなはだ速く」などと紹介、出合ったときは「急に登るべし」とアドバイスしている。
1980年代にツチノコの捕獲を全国に呼びかけ、ブームを巻き起こした下北山村で、ツチノコを再び地域おこしにつなげる動きが出てきた。新キャラクター「つちのこくん」も誕生、オリジナルグッズも販売されている。
実際に見れば体がすくんでしまいそうだが、粘菌の研究で知られる南方熊楠によると、穴を飛び出したモグラや無脚トカゲの可能性も。
正体はさておき、多くの目撃談は何らかの生き物がいると考えてよさそうだ。興味は尽きないが、山に入る機会が増えるこれからの季節、本物のヘビにはご注意を。(増)