もしかすると、長屋王家木簡に匹敵する大…
もしかすると、長屋王家木簡に匹敵する大発見になるかもしれない。平城宮朱雀門近くの大型土抗から聖武天皇の「大嘗祭」を示すと考えられる「大嘗」と書かれた奈良時代の木簡が見つかった。
大嘗祭とは天皇が即位後初めて新穀を神前に供える儀式。平城宮跡では儀式の場となった「大嘗宮」の遺構は見つかっているが、大嘗祭に関する明確な文字史料は初めてだ。
土抗からは一括で廃棄されたとみられる千点以上の木簡が出土。現在のところ大嘗木簡は3点だけだが、他も大嘗祭関連の木簡の可能性が。
ただ、木簡は地方からの大嘗祭用物資の荷札と考えられるが、記録に残る「備前国」ではなく「備中国」の地名を記載。また、なぜ宮中枢部から約1キロも離れた宮外に廃棄されたかなど謎も多い。
今後、木簡群の研究が進めば儀式の内容や準備・運営体制が明らかになり、現在にも受け継がれる一世一度の秘儀の原点に迫れるかもしれない。
聖武天皇の大嘗祭が営まれたのは724(神亀元)年。1300年の節目に関連の遺物が見つかり、改めて奈良の歴史のすごさを感じさせた。(法)