先週末、大阪市立自然史博物館(長居公園…
先週末、大阪市立自然史博物館(長居公園内)で、28日まで開催中の特別展「毒」を見てきた。この世に存在するあらゆる毒を紹介するもので、怖いもの見たさなのか、家族連れも含め多くの観客が訪れていた。
爬虫(はちゅう)類、昆虫類、魚類、キノコ類、さらに鉱物、そして人間が作った農薬やプラスチックなどの化学物質まで展示されていた。
昔は、ある種の植物を川にまいて魚をマヒさせる「毒もみ」(魚毒漁)という漁法があったらしく、宮沢賢治の童話「毒もみのすきな署長さん」の展示もあって、ちょっと驚いた。
それだけ当時は一般的な漁だったようだが、日本では1951(昭和26)年に「水産資源保護法」により全面禁止となった。
また、昔は「食用」だったキノコが、今では「毒」となった事例として「スギヒラタケ」が紹介されていた。2004年以降に中毒例が報告、死亡者も出たので今は毒キノコ。従って古い図鑑は利用しないでほしい。
動植物の毒は、自己防衛の範囲だが、人間が作り出した化学物質による環境汚染は地球規模。より深刻で、より罪深い。(恵)