古典に新しい命を吹き込んで現代によみが…
古典に新しい命を吹き込んで現代によみがえらせている。上京しKバレエカンパニーの「白鳥の湖」を見て、年甲斐もなく魅了されてしまった。
この名作については説明するまでもないだろう。チャイコフスキー作曲の哀愁を帯びた旋律は、学校の授業などで聴いたことがある人が多いのでは。
ところが、実演を見ている人は何%だろうか。バレエは需要と供給のバランスがとれていないというか、有名バレエ団の公演であっても出演者がチケットを売りさばかねばならないと聞く。
が、Kカンパニーの「白鳥の湖」は5日間7公演が満員御礼。熊川哲也芸術監督の知名度や宣伝のうまさもあるだろうが、内容が伴わないとなかなか完売できるものではない。
古色蒼然(そうぜん)とした演出ではなく、現代的に創意工夫されている。もちろん、主役級だけでなく群舞のダンサーまで鍛錬を怠ってないのは素人目にも分かる。古典といって伝統の上にあぐらをかいていてはいけないのだ。
クラシックバレエの格調の高さ、美しさをもっと多くの人に。ぜひ「ムジークフェストなら」のバレエ版を。(栄)