県内や近隣の大型書店でもセルフレジの店…
県内や近隣の大型書店でもセルフレジの店舗を見かけるようになった。労働力人口減少を見据えた効率化は当然だろうが、少々味気なく、ごく短時間でも人同士のふれあいの大切さを思いもする。
図書の自動貸し出し機を置く公立図書館もある。手軽さを歓迎する声も耳にするが、最近こんな経験をした。
本の返却に行った図書館で、職員に「返却だけなら」とセルフ返却口を示された。返却口に置いた本が滑り落ちて下に置いた箱に収まると、間もなく当の職員が本を回収した。
手隙なら自ら返却本を受け取ればよかったのでは。同様の際「面白かったですか」とひと言でも掛けられれば、来館者の読書体験をさらに豊かにできるかもしれないと残念に思った。
ちょっとした機会の大切さは子どもならなおさら。私も図書を借り、返す時の司書の助言で読書の幅が広がった経験がある。新型コロナ対応で接触減の必要もあろうが、惜しい気はぬぐえない。
書店では店員の対応がそこへ通う頻度を決めもする。イベント事も大事だが、日常のあり様が読書好きを育むことをあらためて思う。(智)