ゾウやライオンが元気いっぱい楽器を奏で…
ゾウやライオンが元気いっぱい楽器を奏でる絵があまりに悲しい。静岡県牧之原市の川崎幼稚園で、通園バスに取り残された3歳の女児が熱中症で死亡した。
車体は全面に動物などのデザインが施され、中が見えにくいつくりだった。車内で見つかった女児の水筒は中が空だったという。
同様の事件は昨年7月に福岡県でも起きていた。園児を降ろした後、車内をくまなく確認するという当たり前の基本がなおざりにされ、悲劇が繰り返された。
川崎幼稚園では乗降時の確認にルールがなかったというから驚く。担任は女児の不在を把握しながら保護者に連絡していなかった。
園は7日の会見でそれら四つのミスを原因に挙げたが、一つ一つが悲劇回避のポイントだった。全て素通りした園の体制はどうなっていたのか。
保育園や幼稚園は大人の助けがなければ生きられない子どもの命を預かっている。人員不足など、園側にどのような事情があってもこの原点は変わらない。今回の事件を受け、国は全国の自治体に安全対策を通知した。原点に立ち返った再発防止策が求められている。(増)