このところ、昼間は急激に気温が上がり、春の陽気に包まれている。衣服やふとんをどうするか悩ましい日もあるが、平和ゆえに、こんなのんきなことを考えていられるのだろう。

　寒さ厳しい北の大地では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、非戦闘員の、しかも女性や子ども、赤ちゃんまで犠牲になっている。その過酷な現実を、テレビなどの映像で見るのが、最近は非常につらくなった。

　先週11日付医療面「漢方診療日記」では、都内で診療をする桜井竜生さんが、「患者さんの中で不眠を訴える人がかなり多くなった」と書いていた。

　「他国(のこと)でも、戦争で多くの人が死傷していることを思うと眠れない」と訴えているという。その理由を桜井さんは、こう推察している。

　「インターネットの発達で、人と繋(つな)がりやすくなり、地球上での距離が近くなり、いつでも他人と繋がる環境、雰囲気になって来たことも一因かもしれない」と。

　1万キロ離れた外国での惨事を伝えるため、砲弾が飛び交う中、多くの報道関係者も命をかけていることを忘れてはなるまい。　(恵)