国原譜

「日本文化の燦然(さんぜん)たるありし…

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 「日本文化の燦然(さんぜん)たるありし日の姿を今日まで伝えてきた法隆寺金堂は26日朝、火災のために焼失した」。昭和24年1月27日付の大和タイムス(現奈良新聞)は生々しく伝えている。

 

 堂内に描かれていた阿弥陀浄土図などの仏教壁画は激しく焼損、取り外されていた飛天図だけが無事だった。

 

 焼損壁画は黒く焼け焦げた部材と共に境内の収蔵庫に保管されている。熱を受けてネガフィルムのようになった壁画は、在りし日の姿とは違った意味で、見る者に強烈な印象を与える。

 

 火災から70年余り。同寺は焼損壁画の一般公開も視野に、恒久的な保存方法を検討している。調査研究資金を募るクラウドファンディングも行い、支援者限定で10日から壁画を公開中だ。

 

 火災前の色彩を目にすることはかなわないが、1300年前の歴史遺産として今もわれわれの前にあることの意義は大きい。

 

 一般公開が実現すれば、焼損壁画は新たな時代を迎える。公開による温湿度の変化は克服しなければならない課題だが、描かれた仏たちは訪れた拝観者に何を語り掛けるだろう。(増)

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