連日のコロナ感染者の増加に気持ちも暗くなりがちだが、東京2020オリンピック聖火リレーが和歌山からいよいよ奈良入りする。

　きょうは五條市の上野公園総合体育館で、出発式を行い、簡単なセレモニーがある。感激屋の太田好紀市長のことだから、第一走者への激励のあいさつも楽しみだ。

　地元・智弁学園の和太鼓部の勇壮な演奏に送られて、県内最初のランナーがスタートする。福島からつないできた聖火が、大和路を駆け巡る。

　思えば57年前、前回の東京五輪で全国に感動と興奮を与えた聖火だが、世界的なコロナ禍という極限状態の中でリレーされることに、前とは違った感慨がある。

　御所市や天理市、十津川村などを周回し、橿原市まで走り、明日は大和高田市や宇陀市、生駒市などをリレーして、午後9時前に東大寺大仏殿に到着する。

　コースとなる沿道で声援を送りたいところだが、そこは我慢してインターネットのライブ中継を視聴してほしいという。コロナに隠れた五輪だが、無事に開催されることを願うばかりだ。一つの歴史をみんなで共有したい。(治)