国原譜

東日本大震が発生した時間は県庁の記者クラ…

 東日本大震が発生した時間は県庁の記者クラブにいた。激しく揺れる国会の映像がテレビで流れ、やがて自分の足元もゆっくりと揺れているのに気付いた。経験したことのない不気味さだった。

 ボランティアの高校生に同行して宮城県気仙沼市を訪れたのは震災から半年ほどたった頃だったが、破壊された建物や車に息をのんだ。余震とみられる地震もあった。

 ボランティアの派遣は県教育委員会が主体となり、県内の高校生有志79人が2団に分かれて参加した。土台だけとなった民家の片付けや建物に流れ込んだ泥のかき出しに汗を流した。

 わずかな間だったが、早朝から次々と人が集まるボランティアセンターの様子や世話してくれた現地の人々の優しさも、強く印象に残ったに違いない。

 それから10年。20歳代後半になった彼ら彼女らは、テレビなどで繰り返し流れる当時の被災地の様子をどのような思いで見つめているだろう。

 同じ年の秋に起きた紀伊半島大水害をはじめ、国内ではその後も数多くの災害が起きた。復興の現場へ、再びボランティアに駆け付けた若者もきっといる。(増)

特集記事

人気記事

  • ならリビング.com
  • GOOD INNOVATION LAB コピーライター講座
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 47CLUB
  • 特選ホームページガイド