国原譜

県は移動を支援する2種類の一人乗り機器…

 県は移動を支援する2種類の一人乗り機器の実証実験を、奈良公園で始める。広い地域に点在する名所を無理なく巡るための乗り物だ。

 1台は手元のレバーで進行方向を操作する電動車いす。もう1台は行き先を設定すれば、目的地まで自動走行で連れていってくれる。

 だれもがストレスなく楽しめるのが観光の基本。公園周辺に広がる観光ポイントからすれば楽な移動への需要はあるはずで、原点を見返す大切さが伝わる取り組みだ。

 新型感染症禍でも聡(さと)い人々の動きは止まらない。時流を読みつつ保有する技量、資産を巧みに活用したり、新たな方向を探ったり。

 ホテルの格安長期連泊プランや、複数人利用が常態の施設の一人用への転換、完全非接触技術の再展開などの成功例を見るにつけ、劣勢でも折れない心に敬服する。あきらめず動き続ければ道は開けると思いもする。

 前述の自動走行車は愛らしく、前方の人やシカに音声で注意を呼び掛ける機能も持つ。歩行支援のみならず、乗り物好きの子供たちの人気も集めそうだ。公園内を行き交う姿を見るのが待ち遠しい。(智)

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