地域別男女の格差

国原譜

コロナ禍の中、東大寺二月堂の修二会はき…

 コロナ禍の中、東大寺二月堂の修二会はきょう夕方、11人の練行衆(れんぎょうしゅう)が前行入りする。本行が終わる3月15日未明まで、1カ月近くにわたる合宿生活が続く。

 お水取りとして知られる二月堂の修二会が始まったのは奈良時代。以来これまで、一度も途切れることなく続けられ、今年で1270回を数える。

 合宿生活だけに感染のリスクは大きく、感染者が出れば従来の行が続けられなくなる可能性もある。練行衆に選ばれた僧らは徹底した感染防止策を取ってきょうを迎えた。

 過去を振り返れば、1270回という数字がどれほど驚異的なものか分かる。寛文7(1667)年には本行中の火災で二月堂が焼失した。それでも行は途切れなかった。

 大仏殿をはじめ伽藍(がらん)の大部分が焼けた平氏による南都焼き討ちの後も、二月堂の修二会は「同心之輩」によって営まれたという。太平洋戦争中には行中に召集を受ける練行衆もいた。

 十一面観音は人々の苦しみをぬぐい取るといわれる。二月堂に安置された2体の十一面観音像に、今年も練行衆の祈りが響く。(増)

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