国原譜

花粉症の季節になった。大和高田市は花粉…

 花粉症の季節になった。大和高田市は花粉症であるのを周囲に知らせる「アレルギー・花粉症です」と記した缶バッジを作った。

 新型コロナウイルス禍の中、花粉症の人がくしゃみやせきを我慢して苦しんだり、肩身の狭い思いをするのを防ぐもの。希望者に配布が始まった。

 昨春、奈良市の事業者が花粉症、ぜんそくであるのを示す同趣旨のバッジを企画したのを思い出す。新型コロナの知識が浅い時期のことだったが、約1年経ても根拠のない不寛容さは続いているのだろう。

 科学的な知識、対処法も得てきたはずだが、依然、感染者や医療関係者らへの中傷、差別の声も聞かれる。差別禁止の条例制定や、県内でも高まる差別防止のシトラスリボン運動などは、その証左でもある。

 正しく恐れることの意味を今一度考えてみたい。自分が今すべきこと、不安ゆえの余計でいらぬことも見えてきそうだから。

 新型コロナのワクチン接種が始まる。接種するしないで新たな偏見が生まれないかも気になる。その防止のためにも科学的な判断ができる正確で統一した情報がほしい。(智)

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