国原譜

法隆寺(斑鳩町)の金堂内陣の「木造天蓋…

 法隆寺(斑鳩町)の金堂内陣の「木造天蓋(てんがい)」が国宝に指定される。19日に国の文化審議会から、春日大社の「鼉(だ)太鼓」などともに指定答申を受けた。

 木造天蓋は三つあり、二つは白鳳時代、もう一つは鎌倉時代に作られた。いずれも天人や鳳凰などの豪華な装飾が施され、世界的な仏教美術の名品だ。

 本来はとっくに国宝になるべき品だが、天井につるされていたため詳しい調査が遅れた。平成17~20年度の修理の際に年代や材質などの調査が実施された。

 法隆寺金堂は670年に火災で全焼し、7世紀末から8世紀初に再建。しかし、天蓋の一部にはそれより100年近く古い、600年代初めに伐採された木材が使われていた。

 その理由については他からの転用説のほか、622年に亡くなった聖徳太子の時代の木をあえて使ったとの説も。今も続く人々の太子への思いの強さをしのばせる説だ。

 法隆寺ではきょう22日から太子の遺徳をたたえる伝統行事「お会式」が営まれ、毎年大勢の参拝者でにぎわう。来年にはいよいよ聖徳太子1400年遠忌を迎える。(法)

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