国原譜

日本一距離の長い路線バス、「八木新宮特急…

 日本一距離の長い路線バス、「八木新宮特急バス」に乗る機会があった。十津川村のほんの一部区間だったが、乗客には外国人もいて、独特の雰囲気が味わえた。

 近鉄大和八木駅からJR新宮駅まで約6時間半。案内いただいた奈良交通の方によると、シートは通常の路線バスより背もたれが長く、疲れにくくなっている。

 観光目的で乗る人も多いが、現状で167もの停留所があり、沿線住民にとってなくてはならない生活の足だ。住民の事情に合わせてバス停の位置が変わることもあるという。

 多くのバス会社は運転手不足が深刻で、奈良交通の路線バスでも、保有する667台のバスに対して必要な運転者が51人(6月末現在)不足している。応募者の年齢も40歳以上が中心という。

 「将来の夢はバスの運転手さん」はもはや死語なのだろうか。早朝から深夜まで営業する路線バスのハンドルは、若者の目に重く映るのかもしれない。

 来年に迫った東京五輪や大阪万博でバスの出番は確実に増える。運転手不足は課題だが、業界にとって、将来を開く一つの鍵にならないだろうか。(増)

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