織田信長といえば歴史上の英雄。天才的な戦術家、自由経済の先駆者として絶賛する向きもあれば、比叡山焼き討ちなど残虐な行為を嫌う人も。

　信長の子孫と称していたフィギュアスケート元日本代表の織田信成さんが、陰口などのモラルハラスメントを受け、大学スケート部監督職辞任に追い込まれるなど精神的苦痛を受けたとして女性コーチを訴えた。

　「豪傑の子孫にしては繊細な」と感じる人もいるかも知れないが、日本は今、セクハラ、パワハラなどが社会問題化されている。裁判の行方が注目される。

　「サムライ」「ハラキリ」。黒沢明監督作品での三船敏郎演じるヒーローの映画イメージがあるためか、日本はサムライの国。しかし、良くも悪くも、現在日本でサムライは何人いるのか。

　韓国人が、教科書でたたきこまれているという旧日本軍の残虐行為。確かにそういう行為があったのは事実だろう。が、今の日本人はどうか。

　時は流れ、人は代わる。「日本人は○○だから」「あの人の子どもだから」という固定観念で物事を判断するのは、明らかな誤りだ。(栄)