国原譜
大学生の頃から約25年間、映画の奥深さ…
大学生の頃から約25年間、映画の奥深さを教えてくれたのが神戸・新開地の映画館「パルシネマしんこうえん」。昭和46年開館の名画座だ。
娯楽性と芸術性のバランスが取れた上映作の選択が絶妙で、触れる機会の少ない欧州、アジアの秀作はほぼここで目にした。しかもロードショー館の半分ほどの料金で2作品が楽しめた。
新開地はかつて、関西有数の娯楽あふれる神戸の中心地だった。さまざまな理由で衰退したが、落語の定席開館など近年まちに熱気が戻ってきた。
地元の商店主やNPO関係者、住民らは、阪神・淡路大震災前後から若者たちも巻き込みつつ地域の雰囲気を変え、地道に多彩なイベントを展開してきた。「かつて」のままであることを良しとせず、未来を見据えたまちづくりを目指した成果ともいえる。
県内にも多方面でかつて栄えた場所がある。それぞれ課題の大小、質、数、難易度は異なるが、思い出話のままでいいのだろうか。
奈良市で常設映画館が消えて10年あまり。国際映画祭はあれど、日常的に映画文化に触れる場所がないのは県都として少し寂しい。(智)
娯楽性と芸術性のバランスが取れた上映作の選択が絶妙で、触れる機会の少ない欧州、アジアの秀作はほぼここで目にした。しかもロードショー館の半分ほどの料金で2作品が楽しめた。
新開地はかつて、関西有数の娯楽あふれる神戸の中心地だった。さまざまな理由で衰退したが、落語の定席開館など近年まちに熱気が戻ってきた。
地元の商店主やNPO関係者、住民らは、阪神・淡路大震災前後から若者たちも巻き込みつつ地域の雰囲気を変え、地道に多彩なイベントを展開してきた。「かつて」のままであることを良しとせず、未来を見据えたまちづくりを目指した成果ともいえる。
県内にも多方面でかつて栄えた場所がある。それぞれ課題の大小、質、数、難易度は異なるが、思い出話のままでいいのだろうか。
奈良市で常設映画館が消えて10年あまり。国際映画祭はあれど、日常的に映画文化に触れる場所がないのは県都として少し寂しい。(智)