国原譜

きょう14日夜から宮中祭祀「大嘗祭」の…

 きょう14日夜から宮中祭祀「大嘗祭」の中心儀式「大嘗宮の儀」が始まる。天皇即位後、初めての「新嘗祭」のことで、一世一度の重要祭祀だ。

 収穫に感謝する新嘗祭の起源は神話の時代にまでさかのぼるが、大嘗祭は明日香に都があった天武・持統朝(7世紀)に形が整ったとされる。平城宮跡でも儀式の場だった大嘗宮の遺構が見つかっている。

 今回は皇居・東御苑に特設された大嘗宮で陛下が神前に新穀を供え、自らも食して国家国民安寧や豊作を祈る。古くからのわが国の収穫儀礼に根ざしており、生きた民俗資料としても興味深い。

 ただ、巨額な費用は皇室の私費である「内廷会計」ではなく、公的活動費「宮廷費」が使われる。そのため、憲法が定める政教分離に違反するとの声もある。

 日本国憲法では、天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づくと定める。喫緊の課題である安定的な皇位継承の在り方についても国民的な議論が求められる。

 冷静な議論には天皇制や皇室への正しい知識が必要。今回の皇位継承に関わる行事は絶好の学習機会といえるだろう。(法)

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