奈良県民へ「音の架け橋」 県警音楽隊6代目楽長の戸尾さん「隊員と一緒に成長」 7月に25年ぶり主催コンサート

奈良県警音楽隊の6代目楽長の戸尾臣吾さん(43)。前任者の松谷祐宏さんの推薦で3月28日付で就任した。カラーガード隊6人を含む全29人で編成される同隊をリーダーとしてけん引する。普段は警務部広報相談課情報発信係主任として勤務。7月には、県警音楽隊としては25年ぶりの主催コンサートを開く。
戸尾さんは2010年、28歳で県警に採用。過去にバンドでドラムをやっていたこともあり、30歳の時に音楽隊に入隊。副楽長を経て楽長に就任した。
自ら隊を率いるようになり、音楽隊の目の前の明日、明後日よりも今月、来月、再来月と先の未来を考えるように。責任と使命を日々感じている。楽長としての隊員とのコミュニケーションに加え、公演までの練習や会場情報の共有、調整にも気を配っている。隊員たちは普段は個々に練習し、公演が決まると、桜井署宇陀警察庁舎などに集まり練習。「音楽を通じた心のふれあい」をモットーに、県警や署が開催する防犯教室などの施策を通じて、県民と警察を結ぶ「音の架け橋」として活躍している。
音楽隊は20~60代まで幅広い年代が在籍。20代の人数が多いが、中心となるのは30代の隊員だ。
戸尾さんは「自分の役割は隊員らの背中を押す存在だと思っている」とし、「若い人が多いので、その若さ、勢いを大事にすることで、隊員も意欲的に取り組めると思う」と語る。さらに楽長の仕事として、「決まっていること、決まっていないこと、しっかり情報共有することが大事」と心がける。
隊員からの悩み相談を受けることも多い。「楽器の向き合い方や演奏の方向性など…仕事やプライベート、家族との向き合い方についての相談も受ける」と隊員からの信頼も厚い。
現在は、7月5日に大和郡山市北郡山町の「やまと郡山城ホール」で行う「県民ふれあいコンサート」に向け、隊員と一丸となって練習に励んでいる。
戸尾さんは、「お客さんがあっての音楽。コンサートを成功させるにはチームワークが大事」とし、「力を合わせて個々の良さを引き伸ばし、私自身も一緒に成長したい」と意気込む。「SNS(交流サイト)などでの情報発信にも力を入れているので、アカウントのチェックもよければぜひ」と笑顔で呼びかける。