みこし十数年ぶり披露「来年に巡行復活を」奈良県桜井市の粟殿坐大神神社 太鼓叩きなど子どもら体験
奈良県桜井市粟殿の粟殿坐(おおどのにいます)大神神社(前野千佳子宮司)でこのほど、秋祭りがあり、巡行を中止していたみこしを十数年ぶりに倉庫から出して参拝者に披露した。関係者は「できれば来年巡行を復活させたい」と話す。
みこしはかつて秋祭りで2日間にわたって巡行があり、子ども会が引いたり、みこしに乗って太鼓をたたいたりして町内をにぎやかに練り歩いた。消防団が手伝っていたが、子どもたちを引率する保護者が少なくなり十数年前に中止。その後、子ども会も解散してみこしは倉庫で眠っていた。
70年前にみこしに乗ったという粟殿地区の上田始さん(76)は「昔は消防団が担いでいた」と振り返り、「大きくなってからも太鼓の音がするとワクワク感があった」と懐かしむ。
「巡行を将来復活させよう」―。氏子の間で声が上がり、まずは多くの地域住民に見てもらおうと、10月の秋祭りでみこしを展示した。地域の子どもたちが法被を着てみこしに乗り、太鼓をたたく体験を楽しんだ。境内では餅つきもあり多くの人でにぎわった。
同地区在住の京谷颯真さん(10)、弟綾斗さん(7)、妹澪里ちゃん(4)は「太鼓をたたいて面白かった」とそろってうれしそう。小さい頃にみこしに乗った母夏希さん(39)は「また巡行が行われ、子どもたちも参加できたらうれしい」と話した。
氏子総代長の大倉房男さん(75)は「みこしは祭りの主役。来年できれば復活させ、町内を練り歩きたい」と意欲を見せた。