24年ぶり近鉄新型一般車両「8A系」が出発 近鉄奈良駅から鉄道ファンらを乗せ運行開始
近畿日本鉄道(近鉄)の新型一般車両「8A系」の運行が7日、近鉄奈良駅(奈良市東向中町)発の大阪難波行き快速急行8両編成を皮切りに始まった。通勤や通学などの足となる近鉄の一般車両としては、2000年の「シリーズ21」以来、24年ぶりの新型投入となる。
同日午前10時25分、近鉄奈良駅地下2階1番ホームで、須合良介駅長(59)が右手を上げて合図を送ると、一眼レフカメラやスマートフォンで撮影する鉄道ファンらを乗せた車両が静かに出発。須合駅長は敬礼で見送った。
新型車両は、先頭部分が八角形の平面的な形状で、色は赤を基調として先頭と最後尾の両端扉部分と各車両底部にかけて白のラインが走るデザイン。また、各車両中央扉付近2カ所に、ベビーカーや大型荷物が置けるスペースと緑のシートからなる「やさしば」(「優しい場」「やさ芝」の意味を込めて命名)を近鉄車両として初めて設置した。
出発後、報道陣の取材に須合駅長は「日本の鉄道、近鉄の素晴らしさを感じていただける車両ができた」と胸を張った。
2024年度中に奈良線、京都線、橿原線、天理線の車両のうち、4両編成12本(計48両)を新型車両に切り替えていく。25年度には大阪線、名古屋線、南大阪線にも投入予定という。