【2024おもしろ歴史フェスティバル】映画「天外者」テーマに討議 俳優・水野真紀さんらパネルディスカッション
歴史をテーマに奈良県中南和の魅力を発信する「第13回おもしろ歴史フェスティバル~歴史を愉しむ~」(同実行委員会主催、奈良新聞社共催)が28、29の両日、田原本町唐古の唐古・鍵遺跡史跡公園で開かれた。県内のゆるキャラの登場や歴史講演会、映画「天外者」パネルディスカッションなど多彩なステージイベントを中心に、奈良のうまいもんが味わえるキッチンカーなどが並び、さまざまな催しを多くの人が楽しんだ。
29日には、映画「天外者」パネルディスカッションがあり、俳優の水野真紀さん、橿原市出身のタレント福本愛菜さん、高江啓史田原本町長、元大阪府立大学理事・講師の正木裕さん、同映画製作総指揮を務めた広田稔さんがステージに登壇。「五代友厚百年構想―五代イズムと五代豊子の包容・苦悩編」をテーマにトークを繰り広げた。
世の中の未来のために行動した「五代友厚イズム」について正木さんは「人生で大切なのは目標や夢をもって進むこと。映画には友厚が人生で夢を貫いたメッセージが含まれている」、高江町長は「目的が大切だという考えがイズムの中核だったと思う」とそれぞれの見解を話した。
水野さんは「人の夢を整えるのは大切なこと。公の目標も、自分の夢として育てる満足感によって共存できるのでは」と指摘。正木さんは「明治維新前に江戸だけでなく地方に政府があると世界に知らしめたのは五代」と友厚がパリ万博の出展に尽力したことにも触れた。
また、血のつながっていない友厚の子どもたちを育て、残された借金も完済するなど夫を支えた田原本町出身の妻・豊子さんについて、福本さんは「覚悟をもって寄り添った姿を尊敬する。女性の強さを感じる」と印象を述べた。
水野さんは友厚の生きざまを振り返り「大きくなくとも、夢やキラキラした気持ちを私たちそれぞれに持つことが地域貢献へつながっていくのでは」と話した。