歴史文化
出版の神様へ祈り 奈良市・林神社で顕彰祭「節用集まつり」
日本の饅頭(まんじゅう)の創始者、林浄因(りんじょういん)を祭る漢国神社(奈良市漢国町)内にある林神社で15日、出版・印刷の祭典である顕彰祭「節用集まつり」が営まれ、印刷関係者ら約60人が参列した。
同神社には、林浄因の饅頭を受け継いだ饅頭屋7代目で、家業の傍ら初期の国語辞典である「饅頭屋本節用集」を著した林宗二(りんそうじ)が出版の神様として祭られている。この日の祭典では、奉納された出版物などが供えられ、梅木春興宮司の祝詞奏上や玉ぐし奉納などが行われた。
祭典には林浄因の31代目の子孫に当たる南都林家の藤林文和さんも参列。藤林さんは祭典後の講話で、南北朝時代に中国から日本にやってきた林浄因から現在までの南都林家の歴史などを記した著書「まんじゅう忘れた太左衛門~南都林家の六百八十年~」について話した。出版は今年4月。