奈良県香芝市議会の議長が「偏向報道」を説明 議場の撮影不許可問題で
2日に開かれた奈良県香芝市9月定例議会で不信任決議を受けた川田裕議長が、「偏向報道」を理由に奈良新聞のみ議場の写真撮影を許可しなかった問題で、川田議長が5日、奈良新聞の取材に応じ、「偏向報道」と表現した記事の部分と撮影を許可しなかった理由を改めて語った。
川田議長によると、「偏向報道」としたのは、7月10日の市議会本会議で自身の不信任決議の動議が不成立となったことを伝えた翌11日の記事。動議の賛否をはかった際、賛成議員の起立数を数えず、着席した後に「賛成者なし」と判断し動議を不成立とした記事の見出しで「起立無視」とした表現や、奈良新聞デジタルの記事で賛成議員が起立した瞬間の写真を掲載したことなどについて、「市民から苦情の電話があった」と説明した。
そのうえで、不許可の理由について、「市民から苦情があったことを伝え、今後注意してくださいねと言った上で許可しようと思っていた」とし、「圧力をかけた気持ちは全然ない」と弁明した。
5日に再開された本会議では奈良新聞の求めに応じて撮影を許可。理由については「市民から苦情があったことを伝えていたから」とした。
川田議長は2日、報道各社の取材に対し、不許可の理由を「偏向報道と思われる記事があった」としたが、具体的な記事や部分については説明していなかった。
一方、奈良新聞を含む報道機関7社が加盟する「香芝・大和高田市政記者クラブ」が3日、「具体的にどの記事のどの部分か」と質(ただ)した質問状に対しては、川田議長から期限(5日)内に返答がなかった。