命の限り絵筆握った15歳少女の作品展 - 病気と闘った奈良市の西葵梨さん
奈良信用金庫尼ケ辻支店で8月31日まで
奈良市宝来1丁目の奈良信用金庫尼ケ辻支店(高橋洋介店長)のロビーの一角に、ひときわ存在感を放つ1枚の絵が飾られている。花火の閃光(せんこう)が明るく照らし、赤青黄の花が鮮やかに彩る海の中を、骨となった一匹のクジラが悠然と泳ぐ。絵のタイトルは「eternal sleep」(エターナルスリープ=永遠の眠り)。今年6月に15歳で息を引き取るまで、病と闘いながら描くことを諦めなかった同市平松5丁目の西葵梨(にし・あいり)さんが中学3年のとき、動かなくなった右手の代わりに左手の指に付けた絵具で色を重ね、ペインティングナイフで線を描いて完成させた。母、葵さん(37)は「娘にとって絵はその時々の感情を表現する言葉だった」という。