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第17節 わずかな差 ★に - 奈良クラブ

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攻守に躍動した国武=福岡県のミクニワールドスタジアム北九州 (C)NARA CLUB

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多彩な攻撃 浮上期待

 奈良クラブは第17節、前節終了時点に勝ち点19で並び、順位も一つ上のギラヴァンツ北九州を相手に手痛い逆転負けを喫した。4試合ぶりの敗戦となったものの順位は変わらず14位のままだが、上位陣との差は広がった。

 

 ギラヴァンツ北九州との一戦は、実力の拮抗した好勝負となった。今季のここまでの戦績や、直近の試合での好調ぶり、さらに12日に行われた天皇杯2回戦で互いにJ1チーム相手に敗れはしたが善戦したところも似通っている両者の対決は、フリアン監督が評した通り「どちらに転んでもおかしくない展開」だった。

 

 先制は奈良クラブ。前半26分、コーナーキックからのセットプレーで、キッカーの中島からの速く内側に切れ込んでくるボールに長身の生駒がヘディングで合わせ、相手GKの頭上に流し込んだ。

 

 35分には国武が左サイドバックの下川からのショートパスを受けて、そのまま相手ペナルティーエリア手前までドリブルでピッチを斜めに切り裂き右サイドの嫁阪に送ると、一拍置いて相手DFを引き付けて嫁阪がミドルシュート。惜しくもゴールとはならなかったが、この間に中央から国武、百田、中島、左から岡田優、右から生駒と、5人が連動してゴール前に詰め寄っており、攻撃面の層の厚さと得点の可能性を高める戦術が見て取れた。36分には沢田からの縦パスを起点に百田と連携して国武がシュートを放つも、わずかにゴール右へ。ここでも攻撃の多彩さを示した。

 

 この後、コーナーキックからヘディングシュートで失点。似たシチュエーションでやり返されて試合は振り出しに戻り、後半には相手の巧みなカウンターからの攻撃で逆転を許した。

 

 この試合は、相手チームを古巣とする岡田優が終始警戒され、攻撃を封じられたことが試合の結果につながったように感じられた。また、後半アディショナルタイムの田村のシュートを、相手GKがぎりぎりで左手に当ててファインセーブしたことなど、本当にわずかな差で相手に勝利が転がり落ちた。

 

 フリアン監督は「ディフェンスのオーガナイズは多くの時間でうまくできていた。攻撃も全体的には良かったと思うが、相手陣地でのアグレッシブさに欠けた時間があり、特にサイドの選手のプレー、エリアの中に向かうクロスだったりミドルシュートを、チャンスがある時にそれを確実に活用する部分が足りなかった」と振り返る。

 

 今節を終えての暫定順位は、トップは変わらず大宮アルディージャが勝ち点40で独走。2位のアスルクラロ沼津は今節、松本山雅FCに0―4で敗れ勝ち点28のまま、3位に浮上したFC大阪に並ばれた。4位はFC琉球で勝ち点27。5位の福島ユナイテッドFC、6位の松本山雅FC、7位のツエーゲン金沢、8位のFC今治までが勝ち点26で並び混戦状態が続く。9位にSC相模原の勝ち点25、10位のAC長野パルセイロと11位のFC岐阜が勝ち点23、12位のカターレ富山と今節で奈良クラブが敗れたギラヴァンツ北九州が13位で勝ち点22。ここに奈良クラブが続く。浮上していくためには、一つずつ勝利を重ねていくしかない。

 

 次節は23日、相手は現在リーグ2位のアスルクラロ沼津。上位に駆け上がるためにも、勝利を期待したい。(岩本)

 

 

 

2024年6月21日付・奈良新聞に掲載

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