年齢を重ねると、転機だったと思い返す出来事がいくつかある。それぞれの際に感じた幸運とともに。

　米国で開幕目前の女子サッカー国際親善大会「シービリーブス杯」の日本代表に、上牧町出身の守屋都弥選手が追加招集された。選出されていたディフェンダーが体調不良になったためだ。

　守屋選手は2023年の女子W杯に代表選出されたが、昨年のパリ五輪では当初はバックアップメンバーだった。だが正選手の故障で全試合に出場し、サイドバックとして大いに存在感を示した。

　故障した選手には申し訳ないが、運を逃さず、チャンスを確実に生かして新たな道を切り開く準備と気概、達成力には感服する。今回の代表落ちは、彼女の米プロリーグ移籍の関係からとも聞くが、今大会でも次につながる活躍を期待したい。

　先例を見ると、転機に伴う幸運を逃さぬには視野の広さと準備が欠かせない。好機を手中に収められれば、あとは一歩を踏み出す勇気と覚悟だけだ。

　多くの若者が新たなステージへ向かう季節になった。それぞれに幸運の女神の前髪をしっかりつかんでほしい。(智)