奈良県香芝市長選 現職、元職、2新人が出馬の構え 5月12日に告示
市議補選は2氏が立候補か
任期満了に伴う奈良県香芝市長選挙はあす12日、告示される。これまでのところ出馬表明の順に、新人の三橋和史氏、元職の吉田弘明氏(63)、現職の福岡憲宏氏(50)、新人の中瀬弘氏(72)の4人がいずれも無所属で立候補を予定。同日選となる市議会議員補欠選挙(欠員1)には2人が立候補を予定する。投開票は19日。
弁護士の三橋氏は、市議や県職員も経験。「子育て支援や高齢者福祉、交通や医療政策まできめ細やかな市民サービスを実現したい」と意欲。「小中学校入学時の制服無償化」の家計負担軽減策を公約し、市民運動が展開されている学校統廃合問題には「人口を増やす政策もせず、人が減ったからと学校を統廃合するのは本末転倒」と統廃合方針を見直す考え。人口増に向けた具体的なアイデアを持つ。
元職の吉田氏は2012年から2期市長を務め、20年の市長選挙で元香芝市議会議長の福岡氏と一騎打ちし敗れた。「この4年間、香芝市の出生率が下がり、香芝の力がダウンしている」と強調。「こどもまんなか」の政策を掲げ、保育園や幼稚園の負担無償化や小中学校制服無償化などを公約。学校統廃合の方針については「住民との話し合いや説明がゼロで議決された」と主張し、市民の声を聞く市政への転換を訴える。
現職の福岡氏は20年の市長選で、住みやすさなどで県内1位を目指す「奈良いち」をスローガンに、吉田氏を破り初当選。「この4年間、香芝市の普通出生率は県内12市でずっと1位」と強調し、続投に意欲。1期目の実績として第2子以降の保育料完全無償化などを挙げ、2期目の政策に(1)マイカーが手放せる香芝(2)帯状疱疹ワクチン接種補助(3)ふるさと大使任命―を盛り込む。「拙速な小学校統廃合には反対」とする。
政治団体幹事の中瀬氏は、同市の喫煙所設置や学校統廃合に反対する市民運動に尽力。現市政を「市民不在の深刻な状況」と批判し、「市民の声が届く建設的な二元代表制を築きたい」と語る。学校統廃合には反対の立場で、「学校は街の活性化に不可欠」と強調。公約に(1)学校給食費の半額化・品質向上(2)土日対応の子育て総合支援(3)高齢者の社会保険減額―を盛り込む。
両選挙とも立候補の届け出は12日午前8時30分から午後5時まで、市役所会議棟2階会議室で受け付ける。3月1日現在の選挙人名簿登録者数は6万4244人(男3万303人、女3万3941人)。