宇陀市がエストニアに日本人留学プログラム開校、全国初の試み ロボット工学の専門家養成
1月25日に現地企業など3者と合意書締結へ
奈良県宇陀市は15日、IT(情報技術)先進国で知られる北欧のエストニアに、ロボット工学の専門家を養成する3年間の日本人留学プログラム「クレボンアカデミー」を開校すると発表した。2025年9月開校の予定で、自治体が海外に留学先を設立するのは全国初の試みという。開校に向けて金剛一智市長らが同国を訪問し、今月25日に現地企業2社と大学1校の合計3者と基本合意書(MOU)を締結する。
市は昨年7月、同国サーレマー市と教育の連携にかかるMOUを締結。市内の中学生10人を同国に派遣するなど交流を続けてきたことが、今回のプログラムの開校へつながった。
締結相手は同国のロボット開発企業「クレボン」▽エストニアアントレプレナーシップ応用科学大学▽人材育成企業「ネクストイノベーション」―。
クレボンはすでに同大学と提携して学術研究と実践的な実習を組み合わせた3年間のプログラムを提供しており、今回はそれをベースに宇陀市と4者で日本人向けのものを作成する。プログラム終了後は大学の学士号を取得できる。
日本人留学生は高校卒業程度以上が対象で、毎年20人を公募。市内在住者は費用補助などを予定している。
また、市は留学で学んだ学生が帰国後、市で活躍できるように28年をめどに市内にクレボン社を誘致し、未来を担う人材が活躍できるまちづくりを進める意向だ。
金剛市長は「日本人留学プログラムの開校は過疎のまち(宇陀市)が今後のまちづくりを見据えた一歩。過疎地での課題解決のモデル都市として存在感を示せれば」と話した。