奈良県の春日若宮おん祭 12月15日から 「お渡り式」は17日
今年で888回目を迎える伝統行事「春日若宮おん祭」(国指定重要無形民俗文化財)が15〜18日、奈良市春日野町の春日大社などで営まれる。17日には「お渡り式」があり奉仕者約1000人、馬約50頭の行列が市内を巡る。
同大社の摂社若宮神社の祭礼。平安時代の1136(保延2)年、関白藤原忠通が天下泰平や五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願って始めたとされる。
お渡り式は17日正午から、県庁前の登大路園地を出発。近鉄奈良駅前やJR奈良駅前、三条通りを行列する。午後1時ごろからは一之鳥居東側の「影向(ようごう)の松」前で「松の下式」があり、田楽などさまざまな芸能が披露される。
同2時半ごろからはお旅所で「お旅所祭」が行われ、午後10時半ごろまで神楽や猿楽、舞楽など芸能の数々が奉納される。
お渡り式はコロナ禍や天候不順のため2019年から規模を縮小して行われており、通常開催となれば5年ぶりとなる。
17日は三条通りや大宮通り、国道169号で交通規制がある。奈良署などは公共交通機関の利用を呼びかけている。
おん祭に先立って春日大社は、昨年式年造替があった若宮神社を参拝する「春日若宮おん祭 先参り」を実施中。ボランティアガイドが若宮と夫婦大国社を案内する。16日まで。各日先着50人にはおん祭りゆかりの菓子の一種「意伝坊(いでんぼう)」を贈呈する。午前9時半から午後0時半まで、若宮神社で受け付ける。参加無料。