阪神・岡田彰布監督(65)の人柄や秘話語る 奈良県内に住む中学時代の同級生2人
リーグ優勝を果たしたプロ野球・阪神タイガースは、18日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに向け準備を進めている。チームを18年ぶりのリーグ制覇に導いた岡田彰布監督(65)。奈良県内に住む中学時代の同級生2人が岡田監督の人柄や秘話を語るとともに、38年ぶりの日本一に向けエールを送った。
◆「心優しく友達思い。絆を大切にしてくれる」
大阪市出身の岡田監督は地元の進学校、私立明星中学に進む。「守備練習でジャンピングスローする新入生がいた。そんなプレーを見たことがなく驚いた」と話すのは、岡田監督と同級生で野球部でも一緒だった鋳造部品製造会社「クスダ」社長の楠田恵則さん(65)=宇陀市在住。
楠田さんによると、約80人もいた新入部員の中でも、岡田監督は身体能力が高く、群を抜いて野球がうまかったという。1年生の多くは球拾いだったが、岡田監督はすぐにレギュラーとなった。ただ、体格は普通で筋トレが苦手。特に腹筋は渋々やっていたと振り返る。
岡田監督の学業は上位。学校の中心的な存在だったが威張ることはなく、分け隔てなく友達付き合いをしていたという。
「一見、不愛想に見えるが、心優しく友達思い。絆を大切にしてくれる」と中学時代からの印象を語るのは岡田監督の同級生で、奈良豊澤酒造営業部長の長田吉弘さん(65)=生駒市在住。
学生時代以来、40年以上ぶりに再会した際も同級生たちの名前を覚えており、監督に就任してからも親交を続ける。
2018年秋、長田さんの依頼で実現した奈良豊澤酒造主催の講演会を機に岡田監督の県内後援会「奈良岡田会」を発足させる。楠田さんがその代表幹事を務める。
「奈良岡田会」では年に1回のゴルフや飲み会などを定期的に開き、必ず参加。楠田さんの依頼で少年野球の講演会を開いた際にも多忙な中、大和高田市内に訪れる。礼節を大切にして遅刻は絶対しない、不義理をしないことが岡田流という。
楠田さんは「どんなに忙しくても頼めば必ず駆けつけてくれる。人を大切にする。普段の会話の中でも、選手に対して真摯(しんし)に向き合っていることが伝わる」、長田さんは「めったに感情を表に出さない。選手を守るときだけは怒っている。情に厚い」と岡田さんの性格を語る。
◆「自分が監督なら優勝できる」
解説者時代、同級生らと飲みに行った。その間、阪神は長年リーグ優勝から遠ざかる。「自分が監督なら優勝できる」。岡田さんは2人に阪神の監督に再就任したいという熱い思いを語っていた。
再び監督となり、今年1月に飲み会を開いた。その時も阪神のリーグ優勝に自信をのぞかせていたという。
楠田さんは「優勝おめでとう。次は日本一になって関西、奈良を盛り上げてほしい」、長田さんは「大変な道のりだが、日本一で奈良岡田会で祝勝会を開きたい」とエールを送る。