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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 悪臭を放つ花編 2023年9月下旬

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小屋に隠れず記者を見るようになった犬のサクラ

 お寺の玄関はスズムシの鳴き声でにぎやかです。人が近づくとピタッと鳴くのを止め、離れるとまた鳴き出します。犬のサクラは、やっと記者に慣れてくれて、逃げずにこちらの動きをじっと見ていました。「今朝は寒いくらいだった」と泊まりがけでお手伝いしていた人が言います。観音寺でも、やっと昼間も涼しく感じるようになりました。

 

 

フジバカマの話 オミナエシの謎

 

 住職は、無量庵でおはぎ(お彼岸が近いので、住職はこう呼んでいます)づくりをしていました。

 

 「この間の御縁日(9月17日、百万遍念仏会)におはぎを、お参りしてくれた人にお斎(とき=寺の食事)でお出ししたのよね。材料が余っていたから今日も作っちゃったの」

 

おはぎを詰めているところ

 

 中にあんは入れていないそうですが、きな粉と青のりに甘めの味を付けています。

 

 「まだきな粉と青のりもたっぷりあるから、追いきな粉と追い青のりも付けなくちゃ」

 

 今日はお手伝いさんが7人。みんなに持って帰ってもらうように張り切って作っていました。

 

 

 

 お昼休憩の時間です。

 

 「フジバカマが咲いたの。でもなぜか園芸種のフジバカマはまだつぼみなのよね」と住職がそう話します。

 

 庭に出て花のようすを確かめにいきました。つぼみでなければ園芸種と天然の区別ができないくらい見た目に変わりはありません。

 

野生のフジバカマ

 

園芸品種のフジバカマ

 

 午後になり、廊下に行くと花が入っている花びんが1つ。そこへ住職が通りがかりました。

 

 「オミナエシにおってみて!」と住職。

 

 「わっ臭いっ」なんともいえないにおいです。ハエも近寄りたくないくらいの悪臭でした。花は終わりかけでしたが枯れてはいません。それなのにひどい悪臭です。

 

生け花の臭い枯れかけオミナエシ

 

鉢で咲くオミナエシ

 

 「切り花にして5日くらいかな? オミナエシは、なぜか臭くなるのよね。鉢で咲いているオミナエシは枯れても臭くないのだけど」

 

 それで廊下に下げているのでしょう。玄関で、このにおいに歓迎されたくありません。庭にたくさんのオミナエシが咲いていました。切り取った跡を発見。切り取っても次々花を咲かせます。

 

 ススキ、ハギ、ワレモコウなどの秋の花。唯一黄色のオミナエシは、やっぱり飾りたくなってしまう花なのでしょう。

 

庭のススキとハギ

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。

17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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