東大寺学園文化祭で県出身作家の作品演劇化

奈良市山陵町の東大寺学園中学校・高校で9、10の両日、文化祭(菁々祭)が開かれ、保護者や多くの地域住民らでにぎわった。
10日に行われた演劇では、県出身の作家、あをにまるさんのコメディ短編集「今昔奈良物語集」の「走れ黒須」を中学1年の有志約20人が熱演。太宰治の「走れメロス」のパロディで、友人の瀬川と大阪の法外な値段設定のぼったくりバーに行った黒須が、瀬川を人質に取られ、奈良の実家へ現金を取りに走るという物語。生徒の一生懸命でコミカルな演技に会場は笑いと感動で包まれた。
主役の黒須役を演じた伏見祐貴久君(12)は「緊張したが、観客が笑ってくれて気持ち良く演技できた。練習の成果が出せた」と笑顔。あをにまるさんも「小道具にもこだわりが見えたし、みんなが楽しく演じてくれてうれしかった」と話していた。