参拝者の髪を切りお供え 奈良県の当麻寺で「中将姫髪供養会」
奈良県葛城市当麻の当麻寺中之坊で16日、中将姫の故事にちなんだ「中将姫髪供養会」が営まれ、参拝者13人が自らの髪を供えて心願成就を祈願した。
中将姫は763(天平宝宇7)年6月15日に髪をそって尼僧となり、翌16日に髪を糸にして仏の梵字(ぼんじ)を刺しゅうしたところ、仏の加護で当麻曼荼羅(まんだら)が織り上がったと伝わる。
この日は中将姫剃髪堂で参拝者の髪を僧侶が切る儀式をし、中将姫の守り本尊で「導き観音」と呼ばれる十一面観音菩薩像の前で松村實昭院主らが読経。法要中に参拝者は境内の髪塚に移動し、半紙に包んだ自分の髪を塚の中に納めた。
初めて参列した堺市の女性(56)は「たまたま当麻寺を参拝したところ法要を知り、中将姫との縁を感じる。同じ女性として親しみを感じながらお参りしました」と話した。