美吉野木材が春亮木材をM&A 伐採から建築まで一貫サービス提供へ
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奈良県天川村坪内の美吉野木材(喜良竜介社長)は、企業の合併・買収(M&A)で製材業の老舗、春亮木材(吉野町、春増勝社長)の株式を取得した。3月31日付。
春亮木材は和風建物の室内を飾るスギの化粧柱で全国一のシェアを誇るが後継者がおらず、事業を引き継ぎ、職人の雇用を維持してくれる譲渡先を金融機関に相談。2021年10月、県事業承継・引継ぎ支援センターに問い合わせが寄せられた。
美吉野木材も自社所有の山林経営、伝統的な和風建築などで長い歴史と実績を残してきた業界の老舗。木の切り出しから製材、建築まで一貫したサービスを提供する経営を目指していたことから両者の思いが一致した。協議を進め、昨冬、M&A成立の道筋がついた。
美吉野木材は、春亮木材から受け継いだ業績を生かしつつ、一貫サービス提供の経営を展開する方針。M&A成約式で喜良社長は「春亮木材の思いをつないで頑張ります」などと話した。