「飛鳥の玄関口」に 高松塚周辺地区の再整備 検討委、方針策定へ
第1回高松塚周辺地区再整備方針検討委員会が16日、奈良県明日香村平田の国営飛鳥歴史公園館で開かれた。有識者らの委員で構成し、委員長には立教大学大学院観光学研究科の小野良平教授を選任。事務局の国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所が同地区の施設や機能の再整備方針の策定に向けた留意事項などを示し、意見交換を行った。
国交省が管理する同地区は、1985(昭和60)年に開園。高松塚古墳などへの周遊道、飛鳥歴史公園館といった観光施設などを整備している。
また、公園館横の仮設修理施設では現在、高松塚古墳から取り出した極彩色壁画(国宝)を保管。文化庁は基本構想として、保存公開のための新施設整備を仮設施設付近の同地区北西エリアで検討している。
同地区は近鉄飛鳥駅に近く、明日香村など周辺観光の玄関口に立地。同委員会では施設の老朽化対策や新施設整備などをふまえ、飛鳥地方や村内に点在する飛鳥歴史公園の案内▽展示などによる歴史文化や自然景観等の理解促進▽来訪者の集散・休息―の機能をもった「飛鳥周遊のゲートウェイ」とする基本的な考え方が示された。
参考として、明日香村全体を博物館に見立てた村の取り組みや、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの技術を用いた国内観光施設の事例も紹介された。