音羽山観音寺 後藤住職の花だより - 取材が奉仕になった編 2023年真冬
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午前は御祈祷。長く付き合いのある信者からの依頼です。その間も参拝者が次々と同寺を訪れます。御祈祷中でも本堂参拝を許可している住職。御祈祷をする住職の姿はキリリとして、見ているこちらも引き締まる思いがします。
毎日何かある観音寺 今日も人が集まって
取材の日、まごころ便発送をいつも手伝ってくれる倉本さん夫妻がお寺に来ていました。普段から仕事がお休みの日は、音羽山観音寺に出向いて奉仕をしているそうです。
御祈祷が終わり、一息ついているところに1本の電話。
「倉本さん(夫)、乾さんを下まで迎えに行ってくれる?」
乾さんは20年以来、音羽山観音寺の支援をしています。倉本さんはモノレールを動かし、下って行きました。お迎えするなんてVIP扱いなんだと思っていたら、「いや~。みんなのお昼ご飯を買ってきてもらっているからね。今日は特別扱い」そう話しながら笑っていました。
力仕事は男性にお任せ 支援者は助かります
乾さんが到着するやいなや、音羽山観音寺名物「八味」づくりが始まりました。大きなすり鉢が登場。トウガラシ粉が2種類、チンピの粉、ケシの実、炒り白ゴマ、粗めの大葉と細かい大葉。いただき物の高級ブドウサンショウはミルで細かくしてすり鉢に投入。かき混ぜるのは乾さんの役目。いつもそうなっているみたいです。
八味づくり。混ぜる時は手袋着用で
ビンの煮沸はまごころ便の時と同じく倉本さん(妻)担当。乾さんがビンに八味を入れて行き、記者がふたをしめていきました。
すり減った茶せんで、すり鉢の溝の八味を残さず取り出す
住職、八味を味見
「うん、おいしい」
仕事は無限にある みんなで分担作業
日が傾いてきたころ、今度は五色漬作り。五色漬とは細かくした5種類の奈良漬と酒粕を混ぜたもの。白ご飯の上にのせて食べたりします。ここでも乾さん大活躍。大きな奈良漬の樽を動かし、住職が取り出した奈良漬を乾さんが切っていきます。
洗った奈良漬。キクイモ、ニンジン、キュウリ、白ウリ、ハヤトウリの5種類
「乾さん、何でも早いのよね。助かっちゃう」
さて記者はここでタイムアップ。明るいうちに下山しました。
里で鹿の声が近くで聞こえた
後日用事があって記者は乾さんに電話しました。
「(1月)17日(観音様御縁日)に行ったら『仕事たまってるよー』と住職に言われたわ」と乾さん。
住職が乾さんの来訪を心待ちにしているのがよく分かりました。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門