鹿テーマの赤膚焼ずらり 奈良県文化会館で作品展、幕末~昭和期の120点
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鹿がテーマの赤膚焼の鹿画・鹿意匠展「愛らし♡赤膚焼」が24日、奈良市登大路町の県文化会館で始まった。鹿を描いた皿を中心に幕末から昭和ごろの作品約120点が出品されている。29日まで。入場無料。
赤膚焼の収集・研究家、辻井由紀子さん(73)=同市=が主催し、約50年間の収集作品の中から出品。江戸末期から明治初頭に活躍した陶芸家で、赤膚焼の中興の祖と呼ばれる名工、奥田木白(もくはく、1800~71年)の白鹿や茶碗(わん)なども並ぶ。
「おもしろ作品コーナー」もあり、水がめや鉢なども展示。陶器以外に鹿などが描かれた掛け軸なども出品して作品を盛り上げている。
現代赤膚焼窯元も協力し、所属する五つの窯元が鹿の絵柄のある器など15点を出品。会期中は毎日、午後2時から3時まで辻井さんが展示案内する。
辻井さんは「作品一つ一つの手描きの絵にはその時の思いが込められており、それぞれ味が出ている。当時の描いた人の思いを感じてほしい。また、奈良には焼き物の文化もあるので、赤膚焼の作品を常設展示できる場があれば」と話す。
午前10時から午後5時開場。最終日は午後3時まで。