われら輝くシニアチア!! 奈良県五條市が拠点のシニアチアダンスクラブあかね
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◆平均年齢65歳
シニアになっても、人を応援する気持ちを表現したい―。奈良県五條市を拠点に活動する「シニアチアダンスクラブあかね」は平均年齢65歳。結成から5年目の現在、初練習時には15人ほどだったメンバーも35人以上に増え、活動の場を広げている。(有賀哲信)
◆乙女に返れる瞬間に バンビシャスホーム戦でダンス披露
昨年11月26日、男子プロバスケットボールBリーグ2部(B2)のバンビシャス奈良のホーム戦が奈良市のロートアリーナ奈良で行われた。第2、3クオーター間のハーフタイムで、「あかね」がチアダンスを披露した。
ダンス曲に選んだのは、アニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌にもなっているケツメイシの「スーパースター」。「曲を耳にした瞬間、次に踊るのはこれだと決めた」とチームの監督を務める片山悦子さん(72)=五條市。「特別な人だけがスターじゃなく、皆が輝いている」という歌詞の内容と共鳴した。片山さんは振り付けのほか、自らもダンサーとして舞台に立つ。「女性は仕事や家事で忙しい日々を送っている。同じ日常の繰り返しで忍耐や、時には諦めを感じることもあるだろう。そんな人たちが非日常空間で乙女に返れる瞬間を作りたかった」と、チーム設立の思いを語る。
今回の舞台の練習には約3カ月を費やし完成度を高めてきた。ステージへの出演には技量などでふるいに掛けず、「出たいと手を上げた人で編成する。楽しくやるのがモットー」という。
ハーフタイムショーに出演した土江律子さん(57)は、大和郡山市から練習に通う。前職の関係で五條市の社会福祉協議会を訪れた際に「あかね」のチラシを手にし、「いつかは入りたい」との思いをずっと温め続けてきた。転職を機に加入を決心したが、「体を動かすのが楽しく練習後は笑顔になれる」と満足そうに話す。
◆現メンバー最高齢83歳 92歳女性が参加希望
「あかね」は2017年4月に結成。同市の牧野公民館を拠点に月2回の練習に励んでいる。現メンバーの最高齢は83歳で、14人が70歳代。先ごろは五條市の92歳の女性が参加を希望してきたという。その女性は、ダンス動画を見るため携帯電話をスマートフォンに替えたといい、本人の意思は固い。
片山さんも「デビューすれば日本最高齢のチアが誕生する。立派な『女優』に育てたい」と彼女が舞台に立つ日を心待ちにする。
4月1日にはバンビシャス奈良のホーム戦に再び出演予定。現在はその練習が始まっている。
「チームで最初に踊ったのがアニメ『サザエさん』の主題歌。それを100人で踊るのが目標」と、片山さんは参加を呼びかける。「あかね」の問い合わせは、電話090(5163)4385(片山さん)。