先人の歩みをたたえ感謝 吉野高校創立120周年で記念式典
奈良県立農林学校(開校1902年)と郡立吉野実業学校(同1904年)の系譜をたどる県立吉野高校は28日、吉野町飯貝の同校体育館で創立120周年記念式典を行い、先人の歩みをたたえ感謝した。同校は来年3月に閉校。伝統は昨年4月に同校と県立大淀高校が統合して誕生した奈良南高校に受け継がれる。
農林学校を前身とする吉野林業高校と吉野実業学校を前身とする吉野工業高校が1978(昭和53)年に統合した。卒業生約1万7千人が各界で活躍。本年度は3年生15人が在籍している。
式典で中本克之校長は120年の歴史を振り返り、教育活動に対する地域の熱意に敬意。地域振興やまちづくりにも貢献している近年の生徒の取り組みを紹介し、「吉野高校の伝統は奈良南高校に引き継がれると確信している」と式辞を述べた。
同窓会長の上田裕康・元校長は「すばらしい恩師、先輩に鍛えられた3年間だった」と充実した高校生活を振り返り、在校生の学びと奈良南高校の発展を期待した。
吉野林業高校卒業生の栗山忠昭・川上村長(71)が「県南部東部地域の振興と課題について」と題して記念講演。今年4月施行の奈良県美しい・南部・東部地域を県と市町村が協働して振興を図る条例を紹介し「県条例に認められた吉野の価値をさらに磨き発信していく」と地域の将来を描いてみせた。