鹿せんべいの自動販売機が登場、与え方などをイラストで描く

飲料とともに鹿せんべいを販売する全国初の「I LOVE シカ 自動販売機」が奈良市内に設置され、関係者らが24日、同市春日野町の鹿の保護施設「鹿苑」で除幕式を行った。飲料メーカーのダイドードリンコ(大阪市北区)が県ビジターズビューローなどと共同で設置。せんべいの与え方などをイラストで描いた箱入りで、鹿との接し方やマナーの向上啓発につなげる。また売り上げの一部は奈良の鹿愛護会に寄付、鹿の保護に役立てる。
鹿苑入口付近と春日大社国宝殿前の2カ所に設置
自動販売機は鹿苑入口付近と春日大社国宝殿前の計2カ所に設置。無人販売のため、奈良公園内の売店で売られていない時間帯でも鹿せんべいを購入できるのが強み。売店と設置場所などを調整し、今後も増設を検討するとしている。
「じらさないであげてね」「鹿せんべい以外はあげないで」
守ってほしい鹿マナー表記も
商品は、せんべい10枚入り(500円)▽バンビレザーチャーム(1000円)▽鹿角ストラップ(同)―の3種類。グッズは鹿サポーターズクラブとCHIE―NO―WAが製作。いずれもペーパル(奈良市)が開発した米を混ぜた紙で作った六角形の箱に入れて販売する。箱には「じらさないであげてね」「鹿せんべい以外はあげないで」など、守ってほしい鹿マナーを表記している。
式典には、奈良の鹿愛護会の大川靖則会長、奈良ビジターズビューローの中西康博専務理事、鹿サポーターズクラブの朝広佳子会長、CHIE―NO―WAの田中千恵子代表理事、ペーパルの矢田和也取締役、ダイドードリンコの日高健一郎西日本第一営業部長らが出席、自販機を除幕した。
ダイドードリンコの日高部長は「鹿と人の共存を充実させたい思いから取り組んだ、ユニークで愛情たっぷりの企画」と紹介。奈良の鹿愛護会の大川会長は、鹿が誤って食べてしまったビニールの束を掲げ、「こうした事故を無くすためにも、自販機が鹿マナー向上につながれば」と期待した。