【速報】完形の太鼓形埴輪出土・奈良県田原本町

奈良県田原本町教育委員会は30日、同町宮古の宮古平塚古墳(6世紀前半)で太鼓形埴輪(はにわ)が見つかったと発表した。太鼓単体を表現した埴輪は国内4例目で最古級となり、全体像が分かるものでは初の事例という。
太鼓形埴輪は完全な形で出土した。長さは28センチ、胴部の径は25センチ、叩き面(鼓面)の径は両面とも17・5センチ。両端には円形の粘土の粒を貼り付けて革を留めるびょうを表現し、革の端を表す線刻もあった。胴部の中央には成形や焼成のためと考えられる大きめの穴が開いていた。
太鼓は日本書紀や万葉集などの記述から、軍事用や葬送儀礼用、儀式用の楽器だったと考えられている。太鼓形埴輪は31日から8月31日まで、同町阪手の唐古・鍵考古学ミュージアム入り口で展示する。