見慣れた景色が変わってしまうのは寂しい…
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見慣れた景色が変わってしまうのは寂しいものだ。職場から見えていた奈良市立一条高校・付属中学の旧本館の解体に伴い、屋上にあった天体観測室のドームが姿を消した。
天体観測ドームは望遠鏡や観測機器を太陽の光や風雨、ほこりなどから保護する施設。筆者は高校時代、天文部所属し夜空ばかり見ていたが、母校にはそんな立派な施設はなく、一条高校をうらやましく思っていた。
県内にも天体観測ドームがある学校は珍しい。一条高校生にとっても思い入れがある施設のようで、OBで映画監督の河瀬直美さんは天体観測室を舞台とした短編映画「パラレルワールド」を撮っている。
ドームがシンボルだった同校旧本館は1964(昭和39)年に利用を開始。昨年、新校舎の完成などで閉鎖となり、今年なって解体された。
昨年末の閉鎖の日には、校舎の壁面に生徒らが手形で満開の桜を表現=昨年12月24日既報。旧本館との別れを惜しんだ。
約60年間、歴史をつむいできた旧本館の校舎。天体観測室のドームとともに同校生徒やOB、地域住民の心にいつまでも残るだろう。(法)