今年も残り少なくなった。大掃除や迎春準備、年内の仕事で忙しい人とともに、帰省の途に就いている人も多いことだろう。

　今年は年明け早々、能登半島地震が発生し、正月気分が一変した。今なお復旧、復興への道筋を見いだせていない人が少なくない状況に、約30年前の震災で実家の全壊を経験した身としても胸が痛む。

　この年末年始は、穏やかに過ぎてほしいと願う。ただ県内を含め、火災の報をよく耳にするようになってきたのが気になる。

　県広域消防組合の2023年消防統計によれば、出火原因では「たき火」をはじめ、ちょっとした油断や不注意が端緒と推察されるものが見受けられる。自然災害に対し、火災は個々の慎重な行動、配慮で防げる可能性もある。

　むろん個人の気配りだけでは避けられない場合もあることだろう。だが自分自身と周囲の笑顔を守るには、忙しい中でもあきらめずに細心の注意を払うしかない。

　大みそかから元日にかけての県内の天気は、曇りがちではあるものの平穏な予報。師走の定番のあいさつ通り「皆さん、良いお年をお迎えください」。(智)