町役場から郵便物が届いた。何だろうと開けてみると、「介護保険被保険者証」。覚悟はしていたが、とうとう来るべき時はきた。

　満65歳である。「町からの誕生日プレゼントか」と。が、これは贈り物どころか保険料を徴収されるのだ。しかし、いつ保険が必要になるか分からないと考え直した。

　65歳以上のシニア割引もあり、常連になっている上方演芸特選会(国立文楽劇場)は600円引きでチケットを購入できるように。敬老弁当をもらったような気分。

　16日の敬老の日にちなみ総務省が公表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は3625万人と過去最多を更新。総人口に占める割合も29・3%に。

　日本人の平均寿命が延び元気な人が多いため、高齢者の定義を「65歳以上」から「75歳以上」に引き上げるべきとの声も出ている。

　「歳(とし)を重ねるだけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる」(サミュエル・ウルマンの青春から)を座右の銘にしているが、先日駅の階段で転んでしまい、「大丈夫ですか」と若者から声をかけられた。過信は禁物。(栄)