大きな米粒みたいな顔で腰には酒とっくり…
大きな米粒みたいな顔で腰には酒とっくり。それが米どころ北海道新十津川町をPRしようと2015年に誕生した「とつかわ こめぞー」だ。
おっちょこちょいだが憎めないお米の妖精という設定のゆるキャラ。同町をこよなく愛しており、お米とお酒が何よりの大好物なのだそう。
同町は明治時代に起きた大水害で移住した十津川郷士とその子孫らが開拓した新天地。こめぞーは今も町民が母村と慕う十津川村のキャラ郷士くんやせんとくんとも仲良しらしい。
十津川村といえば林業。水稲の作付面積は昨年のデータで7ヘクタールにとどまるが、新十津川町は3440ヘクタール。奈良県全体の約4割にも相当する。
そんな対照的な風土の両町村だが絆は絶えず、定期的に共同物産展などを開いているほか、きのうは新十津川町の小中学生が母村を訪問。交流の様子は本日付3面で紹介している。
全国で激甚災害が相次ぐ昨今、五條市出身の児童文学作家、川村たかし氏の名著「新十津川物語」が改めて心にしみる。つらくても泣かないと誓った移住民の苦難の歴史は、こめぞーの愛読書でもある。(松)